さくら行政書士事務所
このページでは、無縁墳墓改葬を行う場合の、お寺や霊園などの墓地管理者が負う調査義務についてご説明しています。
市役所など、行政機関の無縁墳墓改葬の許可を得ていたとしても、墓地管理者は調査を行う必要があり、これを怠ると損害賠償の対象となるとした裁判例があります。
無縁墳墓改葬許可申請、無縁墓の整理手続きの代理、代行を多数受任している行政書士事務所です。
無縁墳墓改葬許可申請などの法律上の手続きはもちろん、行政機関との交渉もお手伝いいたします。
必要となる官報に掲載する公告や、墳墓や墓地に掲示して公示する立て札の文案の作成もお手伝いいたします。
このサイト全体の、無縁墳墓改葬についてのご説明のカテゴリートップページです。
こちらのページから、無縁墳墓改葬に関連する各ページにリンクしておりますので、こちらのカテゴリートップページもあわせてご参照いただければ幸いです。
無縁墳墓の改葬、無縁墓の整理、撤去を行う場合には、法令で定められた手続きを行う必要があります。
たとえ墓地使用者と連絡がとれなくなっているとしても、墓地管理者がお墓を整地して取り壊し、墓石の解体撤去工事を行うためには、「墓地、埋葬等に関する法律」および、厚生労働省が定めた「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」3条の規定による改葬許可を得る必要があります。
市区町村長の許可を得ないで、墓地の整地、墓石の解体撤去工事を行うことはできません。
詳しくは、無縁墳墓改葬の許可のページをご参照ください。
しかし、市区町村長の改葬許可を得れば、それだけで無縁墳墓として墓地の整理ができるわけではありません。
市区町村長の許可に加えて、これとは別に、民法上の権利の手続きが必要であるとされています。
つまり、以上のような無縁墳墓改葬、整理の手続きはあくまでも行政法規であり、墓地権利者の権利については別途、無縁墳墓の使用者に対して私権上、民法上の権利についての手続きをとることが求められています。
この点、厚生労働省から通達が出されており、行政機関の改葬許可と、民法上の権利については別個のものである旨の通達が出されています。
これについては慎重に進める必要があると解されます。
この点について、法律で定められた手続きに基づき、適切に役所から無縁墳墓の改葬許可を得たうえで墓地管理者(お寺)がお墓を解体撤去した事例について、民事上違法であるとして、損害賠償を認めた裁判例があります(2014年2月17日・高松高等裁判所)。
この裁判では、墓石の半額相当の工事費用、永代使用権の相当額の費用、慰謝料100万円の合計約370万円を、お寺が墓地使用者に損害賠償として支払う旨を命じています。
つまり、お寺や霊園などの墓地管理者として、無縁墳墓の整理を行うためには、市区町村長の改葬許可を得るだけでは不十分である場合があるとされます。
無縁墳墓の改葬と、私権についての配慮の必要性についての通達は、こちらのページをご参照ください。
以上のような厚生労働省の通達は法律論としてはある意味で当たり前のものであると考えられます。
法律論、制度論としては、民法上の権利がクリアされた後に、行政法上の無縁墳墓改葬許可を取得して、実際の墓石撤去工事を行うものとされています。
法律論、制度論としては、行政の改葬許可だけで無縁墳墓整理ができるわけではないことは、ある意味で当たり前の原則です。
この裁判例によれば、墓地管理者(お寺など)は市区町村長から無縁墳墓の改葬許可を得ていたとしても、お墓を解体撤去してしまったらお墓の所有者に損害賠償する必要がある場合があることとなります。
この裁判例のポイントは、「お墓に手入れをされている跡があり、使用者の存在が強く推認されるのに、調査義務を尽くさなかった寺には過失がある」と判断していることです。
お墓をよく見れば、確かにお墓に使用者ないし縁者が来ている形跡がある場合もあります。
例えば、清掃されている形跡があることや、お花やお供え物があげられた形跡があることなどが考えられます。
このような形跡がある場合には、お墓の使用者と連絡が取れなくなっている場合でも、「墓地使用者のいない無縁墓となっている」として、解体撤去して改葬することは乱暴であるして違法であるとの判断をされる可能性があります。
無縁墳墓として改葬した後に、墓地使用者が現れて損害賠償などを求められることのないように、並行して民事法上も十分な配慮を進めることは不可欠であると考えられます。
墓地使用契約の解除の手続きが必要となる場合も考えられます。
少々専門的な法律論になりますが、原則として墓地管理者による墓石の解体撤去工事は全て民事上の違法行為となり、墓地埋葬法の手続きおよび墓地管理者としての注意義務を果たした場合に限って違法性が阻却されると構成することもできると思います。
例えば、戸籍や住民票の附票をたどるなり、内容証明郵便を送るなりして、墓地使用者の存在を調べたり、墓地使用の意思の有無を問い合わせたりすることはできる場合があると思われます。
墓地管理者として十分な配慮を行う必要があることは確実です。
具体的にどのような調査義務をどこまで尽くすべきであるかについては、抽象的に一概に論じることは困難です。
お墓の使用権が承継されていたとして、誰に承継されているかが公示されているわけではありませんし、承継される対象者の範囲も一律に決まるわけでもありません。
墓地管理者として、無限に墓地使用者についての調査義務を負うとする解釈も妥当とは思えません。
さらに、過度な使用者の調査は、プライバシー侵害につながるものとして、逆に違法性を帯びる場合も考えられます。
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当事務所では、カウンセリングや、手続きの代理、代行についても承っております。
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事務所サイトの開設日:2006年9月3日
このページの公開日:2014年8月18日
このページの最終更新日:2019年3月2日
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