さくら行政書士事務所
このページでは、墓地使用権の第三者、他人への譲渡についてご説明しています。
改葬するので要らなくなった墓地や、墓じまいするので不要となった墓地を、他人、第三者に譲渡したり、売ったりすることはできるのでしょうか。
改葬、墓じまい、お墓の移転、引っ越しや整理、無縁墳墓改葬の代理、代行を主要な業務とする専門の行政書士事務所です。
改葬許可申請などの法律上の手続き、手配はもちろん、行政機関との交渉もお手伝いいたします。
墓石の解体撤去や墓地を更地にする整地工事を依頼する石材店さんなどの手配もいたします。
散骨や樹木葬、永代供養、永代納骨などをご検討の方のご案内もいたします。
改葬するので使わないことになる墓地や、墓じまいするので要らなくなる墓地が出ることがあります。
通常は、このような事例では、墓地の上に建立されている墓石を解体撤去して、墓地を整地して、更地にしたうえで、お寺や霊園などの墓地管理者に返還することとなります。
では、使わなくなった墓地を、返還しないで、他の方、つまり第三者に譲渡したり、売ったりすることはできるのでしょうか。
結論から先にご説明してしまいますと、なかなか難しいように思います。
原則的に、使わなくなった墓地の使用権を、他の方に譲渡したり、売ったりすることはできません。
ただし、例外もたくさんあり、墓地の使用権を、他の方に譲渡することができる場合も少なくありません。
どうして、使わなくなった墓地の使用権を、他の方に譲渡したり、売ったりすることはできないのでしょうか。
お寺や霊園に問い合わせてみたり、霊園のサイトや石材店のサイトなどを見たりしていると、「墓地使用権は「永代使用権」であり「所有権」ではないので譲渡できない」との説明がなされることがあります。
これは本当でしょうか。
しかし、この説明は法的な誤りがあると考えられます。
「墓地使用権は「永代使用権」であり「所有権」ではないので譲渡できない」との説明は、法的な誤りがあります。
所有権ではなくても、使用権でも、売ることや、譲渡の対象となることは法的に明らかです。
譲渡や売買の対象は、民法555条により、所有権に限られず、使用権も譲渡ももちろん対象となります。
「永代使用権だから売ることはできない」というのは、民法555条に反しています。
民法555条で、売買契約について、対象となる目的物について「財産権」と定められています。
これはもちろん「所有権」と限定されているわけではありません。
お墓を使用できる権利も財産権の一種ですので、民法555条により、売買契約の対象になります。
また、債権譲渡を定めた民法466条1項は、債権が譲渡できることを明示して認めています。
墓地の使用権が「永代利用権」という債権だったとしても、民法466条により他の方に譲渡することができることが認められています。
以上のように、民法555条や民法466条により、「墓地使用権は「永代使用権」であり「所有権」ではないので譲渡できない」との説明は法的に誤りであることがわかります。
「墓地使用権は「永代使用権」であり「所有権」ではないので譲渡できない」との説明は、民法555条や民法466条に反していることになります。
「墓地使用権は「永代使用権」であり「所有権」ではないので譲渡できない」と説明するお寺や霊園、また、石材店さんなどもいらっしゃいますが、このような説明は法的には誤りがあると言えます。
法的には誤っている話しなのですが、なぜかこのような誤ったご説明をなさるお寺や霊園、また、石材店さんなどがいらっしゃるとのことで、当事務所にもご相談をいただくことの多い事例の一つです。
では、どうして、使わなくなった墓地の使用権を、他の方に譲渡したり、売ったりすることはできないのでしょうか。
それは、墓地の使用権を申し込むときに「墓地の使用権を、他の方に譲渡したり、売ったりすることはできない」という条件を付けて契約しているからだと考えられます。
このような、「他の方に譲渡したり、売ったりすることはできない」という条件のことを、法律上の用語で、「譲渡禁止特約」と言います。
債権譲渡を定めた民法466条2項では、このような譲渡禁止特約について定めています。
この民法第466条2項本文の規定により、「他の方に譲渡したり、売ったりすることはできない」という譲渡禁止特約を付けた場合には、債権は譲渡ができないことになります。
現在では、墓地利用の契約の際の条件には、「他の方に譲渡したり、売ったりすることはできない」という条件を付けて、つまり、譲渡禁止特約を付けていることが通例です。
このように民法第466条2項本文の規定に基づき、墓地の使用権を申し込むときに「墓地の使用権を、他の方に譲渡したり、売ったりすることはできない」という条件を付けて契約した場合には、「墓地の使用権を、他の方に譲渡したり、売ったりすることはできない」ことになります。
墓地の使用権を、他の方に譲渡したり、売ったりすることができないのは「譲渡禁止特約」を付けて契約しているからです。
墓地使用権は永代使用権であり、所有権ではないので譲渡できない、という説明は、法的に誤っています。
近年、販売されているお墓の多くでは、このような「譲渡禁止特約」がありますので、改葬や墓じまいで不要となったお墓であっても、他の方に譲れないことになります。
では、使わなくなった墓地の使用権を、他の方に譲渡したり、売ったりするにはどうしたらいいでしょうか。
民法の規定により、墓地管理者、つまりお寺や霊園の管理者が了解した場合には、使わなくなった墓地の使用権を、他の方に譲渡したり、売ったりできる場合があります。
実際に、墓地管理者、つまりお寺や霊園の管理者に了解を得て、使わなくなった墓地の使用権を他の方に譲渡した事例は実際にございます。
改葬や墓じまいにより使わなくなったお墓を、他の方に譲渡したい場合には、墓地管理者であるお寺や霊園の管理者に了解を得られるようお話しをしてみるのが良い進め方であると心得ます。
このページでの説明は、お寺や霊園にある墓地であることを前提に話しを進めてきました。
墓地の形態が異なる場合、例えば、お寺や霊園にある墓地ではなく、地域の共同体の墓地である場合、地域墓地、いわゆる村墓地である場合には話しの内容が大きく異なることがあります。
墓地が共同体の墓地、共同体墓地、地縁墓地、村墓地である場合や、個人墓地である場合には内容が大きく異なるので注意が必要です。
また個人墓地の場合にも、話しの内容が大きく異なります。
例えば、個人墓地である場合には、他の方に譲渡できる場合もあります。
これについて、お寺や霊園などの墓地管理者の方の視点で考えた場合には、最初の墓地使用権の設定の許可条件や、墓地使用規則、霊園使用規定などで、墓地使用権を第三者に譲渡することを認めない、ないし、墓地管理者の承認を要する、といった内容を明確に制定しておくことが重要です。
このような譲渡禁止特約が最初の墓地使用権の設定の許可条件や、墓地使用規則、霊園使用規定などで明確に規定されていなかれば、墓地使用権を第三者に譲渡されることを止めることは容易ではありません。
もちろん、墓地使用規則、霊園使用規定などを作っていなかったり、厳密に制定していなかったりしたら、トラブルの原因ともなりかねません。
さくら行政書士事務所では、このような墓地使用規則、霊園使用規定の作成や見直しについても、積極的にお手伝いしております。
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事務所サイトの開設日:2006年9月3日
このページの公開日:2014年8月18日
このページの最終更新日:2019年3月3日
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